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NBA バスケユニフォームのフォント 各チームの特徴 | 前編
特定の文字に注目してみよう
もしフォントに興味が出てきたのであれば、少しマニアックかもしれませんが、いくつかの特定の文字に注目してみるのも面白いかもしれません。
最初に注目するのは数字の「2」です。
ブルズのユニフォームに使われている2は曲線を全く使っていません。全て直線だけで構成されています。
スパーズの「2」も同じく曲線を使わずに描かれています。ブルズと全く同じに見えますか?「2」の真ん中を良く見てみましょう。水平の線になっていますね。ブルズのように左下に筆画が下りていくようなデザインではありません。
フェニックス・サンズはブルズの2が細くなっただけのようにも見えますね。しかし一箇所明らかな違いがあります。
最後の止めの部分が上に折れ曲がっていないのです。
これは今年のロサンゼルス・クリッパーズのユニフォーム。もう間違い探しのようになってきました。これまで見てきたタイプに比べてずいぶん細身で、少し縦に長いように見えます。しかし、それに加えてもう一つ違いがあるのです。
そう、曲線を使っていますね。角張ったデジタル的な数字とは印象が違って見えませんか。
ワシントン・ウィザーズの番号はそれとわかる特徴的なデザイン。最後に少しだけ筆の「払い」のような部分があります。「ウィザーズ」は「魔女」という意味だから、それにフォントのイメージも合わせたのでしょうか。
私たちは形が少しくらい違っていても、いずれも「2」という算用数字として認識することができます。でも、見比べてみると、デザインで細かい違いを作り出しているのですね。
次に「4」を見てみましょう。こちらもバリエーションが豊富です。
キャバリアーズの4はオーソドックスな直線を組み合わせた字体です。
スパーズの4はセリフ付きのオーソドックスな字体。4の下に土台があるようで、何となく安定感がありますね。
メンフィス・グリズリーズの数字はサンセリフで太い文字。それだけならオーソドックスなのですが、4は頂点のところが交差していません。
サクラメント・キングスの4。やはりこのチームのフォントは特徴的。一瞬小文字のyに見えてしまいます。
昨年までのクリッパーズの4。
レディックの選手番号が4番だと知らなければ、9に見えてしまうかもしれません。
数字の「0」のようなシンプルな文字にも個性が表れます。
ブルズの0は直線を組み合わせています。
グリズリーズの0。なめらかな曲線です。
サンダーの0。外側は曲線ですが内側は直線になっているのですよ。
デトロイト・ピストンズの0は曲線を組み合わせた非常になめらかな形状。
アトランタ・ホークスの0はほとんど長方形に近いですね。このチームのユニフォームデザインは個性的。ドワイト・ハワードの8番のユニフォームなども機会があれば見てみてください。
数字ばかり見ていて目が疲れたかも知れません。最後にアルファベットを一つだけ。「A」を比較してみましょう。
「LAKERS」のAはセリフのある字体。頂上が平らでAの右側の縦棒が太くなっていますが、フォントとしては非常にオーソドックスです。
オクラホマシティー・サンダーのユニフォームのAは頂上が少しカーブを描いています。
ヒートのAは非常に独特で、横棒が漢字の「はね」のようになっています。
ペイサーズのユニフォームは良く見ると横棒の位置が低いですね。
ダラス・マーベリックスのAは左側の縦棒が傾かずにまっすぐになっています。右側の縦棒は途中までDと同じような曲線を描いて下りていきます。左側の縦線を軸にそろえているモダンでありながら均整のとれたフォントです。
このほかCやGやKやMやPといったアルファベットにもフォントの特徴が現れやすくなっています。カーブか直線か、線の交差がどのようになっているのか、セリフの形状も様々な種類があります。気になった人はNBAの試合でユニフォームをチェックしてみると面白いですよ。
後編に続く
NBA バスケユニフォームのフォント 各チームの特徴 | 後編
ページビジュアル wikipedia より