バスケではどのようなユニフォームを着用することが義務づけられているのか、日本バスケットボール協会が定めた規定を見てみましょう。
ユニフォームの大原則
バスケのユニフォームの大原則は２つあります。
１．「両チームがはっきりと識別できること」
２．「プレイヤーの番号が審判とスコアラーにはっきりと見えること」
バスケのように狭いコートの中で選手が激しく動き回る競技では、ユニフォームによってどのチームの誰がプレーしているのか判別できなければなりません。
どちらのチームがボールを保持しているのか、ボールをコート外に出したのは誰なのか、審判がすみやかに判断できないとスムーズに試合を進めることができません。
スコアラーが、いまシュート決めたのは何番の選手かわからないと、あとで混乱を招きますよね。個人ファウルを数え間違えてパーソナルファウル５回で退場処分になったりしたら、試合の行方にも関わります。
ユニフォームは２種類準備しなければならない
両チームをしっかりと区別するために重要になるのはユニフォームの色です。デザインが異なっても色が同じでは区別がつきません。規定では「各チームは、淡色と濃色の２種類以上のシャツを用意しておかなければならない」と定めています。
つまり、公式戦に出るのであれば、ユニフォームの色が重ならないよう、必ず２種類用意しなければなりません。リバーシブルのユニフォームを作れば一枚で済みますが、リバーシブルを認めていない主催団体もあるようなので注意が必要です。
淡色とは簡単に言うと薄い色のことで、規定では「淡色のシャツの色は『白色』が望ましい」とされます。濃色のシャツは白色以外の「濃い色」。淡色は薄い黄色やゴールドも認められるようです。
ちなみにグレーやシルバーは淡色としても濃色としても使えません。NBAのサンアントニオ・スパーズが大好きだからといって、こんなユニフォームは日本では認められないのですね。
さて、日本バスケットボール協会やその下部団体が主催する大会（インターハイの地区予選など）では、淡色と濃色の規定が厳密に守られますが、Bリーグでは柔軟に運用しているのか両チームが濃色のユニフォームを着用することがしばしば見られます。
Bリーグの開幕戦でアルバルク東京と戦った琉球ゴールデンキングスなどはその一例です。
なお、BリーグではNBAとは異なりホームが濃色のユニフォームを着ます。だからこの試合でアルバルクが黒と赤のユニフォームを着るのは当然として、琉球もふだんホームで着用するゴールドのユニフォームを着ています。色が薄いから淡色ではないかと思われるかも知れませんが、琉球はアウェイで白いユニフォームを着用します。Bリーグでは、互いのチームの合意が得られ、両者の識別に支障がなければ容認するという方針なのかもしれません。
しかしBリーグのチームも、日本バスケットボール協会が主催する大会に出るときには、濃色・淡色の規定を厳密に守らなければなりません。
今年のオールジャパンのトーナメント表で上にきているチームが淡色、下に来ているときが濃色のユニフォームを着用します。チームに割り振られた数字が大きい方が、濃色を着るわけです。
アームスリーブやサポーターの色も統一を
規定には「チーム・メンバー全員が同じデザインの色や形のシャツを着用しなければならない」とあります。ユニフォーム以外に統一すべきものとして、アームスリーブやサポーターの色があります。ユニフォームが淡色ならば白、濃色ならばユニフォームと同様の色で統一することになっています。濃色のユニフォームのときに白いアームスリーブをつけることはできません。
ちなみにBリーグではユニフォーム要項で濃色の場合はチームで統一していれば黒でもOKとしています。
先日のウィンターカップでも黒いサポーターを身につけている選手が多かったので、黒は認められることが多いのかもしれません。
あまり見たことはないけれど―上下の色は別々でもいい
ユニフォーム規定で面白いのは「「シャツ」と「パンツ」はかならずしも同じ色でなくてもよい」とされていること。バスケのゲームウェアは昔から基本的に上下とも同じ色を用います。
サッカーでは上下別々の色のユニフォームは珍しくありません。
ブラジル代表のユニフォームもこの通りシャツは黄色でパンツは青。
でもバスケではこれが普通です。
規定としては認められているのですが、バスケで上下別々の色のユニフォームはあまり例がないようですね。NBAで流行ったら日本でも試してみるチームが出るかも知れません。
